FediverseとMisskeyの風に乗って(回顧録)

2022年10月にイーロン・マスクさんがTwitterを買収してから、Twitter情勢は不安定になりつつある。
タイムラインの謎仕様(センシティブな話題がいきなり突っ込まれるなど)が改善した一方、「言論の自由のもとに、差別発言が許されるのでは」という懸念もある。
他にも、大量の従業員を解雇したため、サービスとしても不安定になっている、という意見もある。

僕はもともとSNS中毒気味なので、(ほぼ見る専門だったが)Twitterを一応やっていた。
一部のユーザーが政治的議論をやりあっていたり、センシティブなワードが氾濫するのにうんざりしていたが、ミュートやブロック、自分なりの「調整」で、ある程度知りたい話題を読むことはできていたから、まあまあ満足して使っていた。
とはいえ、Twitterと社会との関わりには疑問に思うところがないわけではなかった。

そこに、イーロン・マスクさんの買収である。買収後も彼の動きは度々注目されていたが、そのたびに大変不安になった。彼は、冷静で優秀な経営者だが、人と人とのつながりが重要視される(?)Twitterを動かすのはあまり得意でないのでは、と思った。

そこで目に飛び込んできたのは、「Fediverse」である。
実は2017年頃にも、Mastodonが話題になり、興味を持ったのだが、諸々あって結局何もしていなかった。
当時からTwitterの問題点はいくつか存在していたが、新しくMastodonを始めるほどの必要性も感じていなかったのだ。
ただ、今回ばかりはそうもいかないように感じていた。
Twitterを抜け出したほうが良いのではないか、と考えていたのが、Fediverseに入るのに拍車をかけていた。

11月になると、僕はFediverseを歩き回った。最初はMastodon系のFedibird等でアカウントを作り、様子を見ていた。その後、Fediverse関連のニュースや記事を読み漁り、情報を集めた。
しばらくして出会ったのが、「Misskey」だ。物は試し。最初に、Misskey.io(以下io)に登録した。
MisskeyはMastodonに比べると、ポップで親しみやすいUIだった。その上、SlackやDiscordのようにカスタム絵文字(スタンプ)でリアクションもつけられる。タイムラインも、ミュートやブロックが不要とは言い切れないが、なかなか快適だ。
僕は、Misskeyの虜になった。

その後、サーバーの勉強を兼ねて、自分でMisskeyのサーバーを立てた。色々と大変なところもあったが、ネット上の情報のお陰で、なんとか立てることができた。今はそれなりに快適なMisskeyライフを楽しんでいる。

さて、ここ最近(2~3月)になって、Misskey(特にio)の人口が増えた。

https://togetter.com/li/2082396

https://togetter.com/li/2091710

TwitterでのMisskey(io)関連の投稿が話題になったり、まとめサイトで取り上げられたりしたためだと考えられる。
僕がMisskeyでフォローしている何人かの人は、「レターパックで現金送れ」「与謝野晶子」など、話題に乗りやすいミームがあったからではないか、と分析していた。
とにかく、Misskey(特にio)の人口は増え続けた。Misskey.artとげーむすきーは人が増えすぎて、新規登録受付を中止した。
最初に作ったioのアカウントでLTL(ローカルタイムライン)を覗くと、巨大でカラフルな絵文字が踊り狂うというカオスな状態になっていた。
3月に入り、人が増えすぎたのと、DDoS攻撃を受けたのとで、ioは1~2日ほどメンテナンスに入った。復旧後はなんとか使えるようになったが、まだ不安定な状況が続いている。

もっとも、この状態は一過性のものである可能性が高く、しばらくすればMisskey(やFediverse)の異常な人気も落ち着くだろう。
その後は、人口が増減しつつも、人々の交流場所として機能することになると思う。

僕は、一つだけFediverseに願いたいことがある。
それは、Fediverseが平和で、皆が楽しく交流できる場所であり続けることだ。
Fediverseのサーバーの殆どは個人がボランティアで運営しており、規模もあまり大きくない。(ioなどは個人で運営できる規模を超えつつあるような気もするが)
そのため、サーバーごとに、鯖缶こと管理人の個性が出る。それもまた、Fediverseの面白さだ。
ただ、鯖缶も人間であるから、当然喧嘩やトラブルを避けることはできない。
表立ってはいないものの、比較的有名なサーバーの管理人同士の間でのトラブルも発生している。
彼らの技術力には目を見張る物があるが、そうしたトラブルを目の当たりにすると、なかなかどうして悲しくなるものだ。
Twitterなどその他SNSと理念は違えど、SNSは人と人をつなげて楽しく・有意義な交流をする場所だ。
僕は、お一人様サーバーの鯖缶🐟でしかないが、Fediverseの未来が明るいものであることを願いたい。

2023年2月の「13月の金曜日」は、Fediverseについてでした。

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